帯状疱疹で悩んだら【ゾスターナビ】
帯状疱疹,症状

帯状疱疹の症状

みなさんの体に水泡(すいほう:水ぶくれ)や神経痛を感じるなどの症状はありませんか? ストレスを受けることが多くなった今では、帯状疱疹に罹る人が増えています。また、この疾患は「痛みを伴う皮膚病」と呼ばれ、特有の合併症もあり、一生付き合っていかなければならないものまであります。
疾病の予防・早期発見のためにも、様々な症状を確認しておきましょう。

〜見逃しやすい初期症状〜

症状の発症の仕方も人により違いますが、左右で分けた体の片側だけに現れます。

私たちの皮膚の下には知覚神経が通っており、そこに潜むウイルスが一定の部分だけを攻撃してくるのです。

初期症状の兆候〜治癒

初期症状としては1週間前からのピリピリやズキズキとした神経痛に似た痛みと軽い発熱を伴い、1週間後には知覚異常が現れ、水疱状の紅斑(充血したような紅い斑点)と丘疹(皮膚が隆起すること)が続いて現れます。

この水疱がやがて全体を一つとした帯のように見え、そののち水疱は皮膚・粘膜の上細胞がはがれ、内層が露出した状態(びらん)と、一部が質欠損を起こした状態(潰瘍:かいよう)になり、それらが乾燥して痂皮(かひ:かさぶた)となり治癒します。

水疱のうちは痛痒さを感じますが、帯状になるに連れて痛みのみを誘発させます。このサイクルが1週間〜10日間で行われ、通常3〜4週間で完治し、痛みのピークは発症してから2週間前後となります。また想定した期間以上に治癒しないときは免疫異常が考えられます。

帯状疱疹の現れやすい部位

現れやすい好発部位として、胸から背中にかけての胸部、首周り、三叉神経の順に多く、胴体や顔面、上肢や下肢などは運動障害をきたしたりと体の至る所に発症し、それらは運動や感覚などの興奮伝達を行う脳神経と脊髄神経の領域に見られます。

三叉神経とは

脳神経は12対あり、三叉神経とはその中の一つのことを言います。三叉神経は第V脳神経とも言い、脳神経最大の神経であり、また眼神経、上顎神経、下顎神経の三つの神経を司ることからもそう呼ばれます。

眼神経は眼球や周辺の筋肉・組織などをおさめるための眼窩、空気を吸い込むことによって声の発声器官を保温・湿潤させて空気と共鳴させる役割を持つ鼻腔などの知覚を司ります。

上顎神経は歯や唇を含む上顎すべての機能と、唾液などの保護作用によって潤いを保たれている粘膜上皮を纏った発音器官のひとつである口蓋(口内の上側に大きく蓋をしたようにある壁)や頬粘膜などの知覚を司ります。

下顎神経は舌神経にも分岐するために舌を動かすのは下顎神経が担い、上顎と同じように下顎も下唇や歯のすべての機能と外耳の一部の知覚、その他咀嚼筋を司っています。

合併症

脳と脊髄を表す中枢神経は身体を制御・コントロールしている役割があり、そこに起きる 障害や体の左右片側、または上下のどちらかを動かせなくなる動障害麻痺、眼球の一部に炎症を起こしたことによる結膜炎や角膜円などの眼合併症などが代表として挙げられています。

末梢性顔面神経麻痺(ラムゼイ・ハント症候群)

帯状疱疹の炎症が内耳や聴覚を司る蝸牛神経(かぎゅうしんけい)、顔の表情筋や痛覚・温度・触角を司る顔面神経、聴神経・平衡感覚を司っている前庭神経(ぜんていしんけい)にうつることにより起こる合併症です。

この疾患は顔面に出来た場合の後遺症としても知られており、症状は鈍痛を呈する頭痛と耳の痛み、耳の周辺に掻痒感(そうようかん:かゆみ)を感じる赤い水ぶくれができ、次第に顔の筋肉を動かすことができなくなる顔面神経の運動麻痺などが挙げられています。

髄膜炎・脳炎

帯状疱疹が耳の周りや内耳に現れた場合に引き起こされる合併症で、髄膜炎は脊髄を保護するように纏っている髄膜の炎症であり、脳炎は髄膜炎の炎症を伴うことから髄膜脳炎とも呼ばれ、帯状疱疹の炎症により、頭の中の圧が上昇し、精神神経障害を引き起こしたり、嗅覚障害がみられることもあります。ですが、脳炎に発症するケースは極稀にしかないと言われています。

視神経の合併症

眼の周りにできた場合のものは周囲への感染性の強い結膜炎や角膜炎など視覚異常をきたす恐れがあり、眼圧が上昇し、視力低下・緑内障、いずれは失明の危険性もあります。

また帯状疱疹を発症している最中に目元から鼻筋にかけて、水疱や発赤があらわれた場合をハッチンソン徴候と言い、視神経の合併症のリスクが高まったことを意味します。

後遺症として残る疾患

帯状疱疹は治療に赴かなくても、3〜4週間で自然と治る病気ですが、その分帯状疱疹後神経痛という後遺症を残すリスクが高まります。後遺症でもっとも重要なのは治癒後の一定期の痛みや瘢痕(はんこん:水泡の痕)では無く、一生付きまとうことになるこの痛みなのです。ですから罹患(りかん)後の神経痛の発症を減らすためにも、自然治癒ではなく、早めの受診・治療をお薦めします。

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