
帯状疱疹の感染について
感染について心配している方は多く、もし感染の危険性があって、自分の家族に感染したらと不安に思う方も多いと思います。自分では知らない帯状疱疹の感染性をご紹介します。
〜帯状疱疹はうつるのか〜
帯状疱疹は水疱瘡と同じウイルスを持っていることを個別ページでご紹介させていただきましたが、水疱瘡は子供に発症する病気で、唾・咳などの飛沫、または空気を感染経路とし、人にうつる病気として知られています。帯状疱疹においても同じように考えている方が多く、他人への感染を心配されています。
ですがご安心を!! 帯状疱疹は他人へは感染しないと言われています。水疱瘡を発症させたことのある方はそのウイルスに感染したことによる免疫が体内にできていて、空気を介して体に入ってきたとしても、それに対抗するだけの力を持っているのです。しかし、帯状疱疹は絶対に感染しないといわけではありません。
それはまだ水疱瘡を発症させていない子供や大人に対して帯状疱疹という疾患ではなく、水疱瘡として発症・感染し、また新しく帯状疱疹への道を作るのです。水疱瘡を発症させたことのない妊婦さんが知らずに感染した場合、母体を介して胎児に垂直感染し、なんらかの障害を受けて誕生することになる可能性があります。ですから水疱瘡に罹ったことのない子供や大人、妊娠中の方への接触は極力避けるのがベストと言えます。
また帯状疱疹は一生に一度の病気といわれており、二度発症することはありませんが、他の疾患による極端な免疫低下により引き起こされることがあります。
感染方法
感染はしないとご紹介しましたが、水疱瘡に罹ったことのない子供や大人はどのように感染するのかをご紹介したいと思います。
飛沫感染
ウイルスを持っている人が会話や咳・くしゃみをしたときに、飛沫が空気中に撒き散らされます。またそれを吸引することにより粘膜などに着床し、ウイルスがもつ病気を発症させることになります。
飛沫が放出された際の距離は長いもので3フィート(1メートル程度)弱とされ、飛沫の大きさとしては5マイクロメートル(1000分の5ミリメートル)といわれています。飛沫感染による疾患としてマイコプラズマ肺炎、RSウイルス感染症、インフルエンザなどがあります。
飛沫核感染(空気感染)
飛沫核感染とは咳やくしゃみなどの飛沫を鼻または口から放出した後、それらを纏っていた唾液などが乾燥・蒸発してウイルス本体となる核が出現します。
その核が飛沫核と呼ばれ、飛沫感染よりも強力な感染性を持ち、浮遊距離としては最長3フィート以上であり、5マイクロメートルの核だけとなったものでも、長時間空気中を漂います。飛沫核感染はとても強力な感染症なので隔離が必要な場合もあります。その代表として結核、水疱瘡、風疹、麻疹などです。
接触感染
皮膚表面や皮膚からでる滲出液(しんしゅつえき:粘液)や血液が相手の皮膚との接触、また滲出液や唾液が付着した衣類や物を通して、直接的あるいは間接的に感染することを接触感染といいます。接触感染には髄膜炎、口の周りや唇にできる口唇ヘルペスなどが挙げられます。
帯状疱疹の予防
帯状疱疹はもともとウイルスが体の中で眠っているだけなので、私たちはもう感染している状態なのです。ただ活発化したウイルスが目覚め、発症するかどうかが問題です。
その発症を防ぐ対策としては免疫力の維持です。免疫力は常に自分の体を守ってくれています。加齢とともに衰退していく免疫力も規則正しい生活と栄養バランスの摂れた食事、適度な運動をすることで保たれます。
心と体のバランスを保てていれば帯状疱疹でなくても風邪などのウイルスが進入することもなく、健康な体を維持でき、日々の生活も豊かに過ごしていけます。多忙な毎日の中、ほんの少しの休養だけでも良いので、自分の健康に気を使ってあげてください。