帯状疱疹で悩んだら【ゾスターナビ】
帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹が治癒した後に発症する病気で、水痘などの皮膚障害が治ったあとも痛みが取れず、ピリピリ、ズキズキ、チクチクと痛みの感じ方は違いますが、それが慢性の痛みとなり、慢性化すると痛みそのものが病気になります。痛みが続く理由として、帯状疱疹の初期時にウイルスが急速に脊髄神経(知覚神経)の中で増殖した結果、神経変性という神経細胞を破壊されたことが原因といえます。
帯状疱疹後神経痛は3ヶ月程度で治まるといわれ、長く続く人は1年〜10年以上になるそうです。長期に続く痛みと付き合っていかねばならないのですから、どんな人がなりやすいのか? 治療法は? 費用は? たくさんの疑問をここでご説明させていただきます。

どんな人になりやすいのか?

治癒後も神経痛が続き、その痛みが新しい疾患となる帯状疱疹後神経痛は免疫力の低下が顕著に現れる50代の高齢の方にみられます。

ですが水痘ワクチンの投与による予防接種を行うことにより帯状疱疹後神経痛の罹患率が65%にまで引き下げられるという検査報告もあります。水痘ワクチンは小児の水疱瘡予防に用いられているもので、高齢者の帯状疱疹予防にも効果的として接種されています。

が、発症率がゼロになるわけではありませんので、頭の片隅にでも記憶しておいていただきたいです。また接種できる年齢として1歳以上から接種可能であり、任意予防となります。帯状疱疹発症後すぐ帯状疱疹の薬剤投与により、疼痛を緩和させるという方法もありますので、強痛に悩むリスクを少しでも軽減させておくのが良いと思われます。

どのような治療法があるのか

帯状疱疹後神経痛の治療法で、最近ウワサになり始めた遠絡療法というものがあります。内容としては指圧やレーザー治療を用いて、胸から背中などにかけて走る疼痛ライン部位の痛みを和らげたり、神経細胞が破壊された箇所の血液循環を良くし、細胞の回復を狙います。注射などの痛みを伴う治療が苦手な方にお薦めです。

それでは帯状疱疹後神経痛で行われている一般的な治療法をご紹介します。

薬物療法

内服薬として用いられている薬剤をご紹介します。

消炎鎮痛剤

症状の炎症を抑制し、熱感などを鎮める作用をしてくれます。この薬は関連ページでもご紹介しておりますので、そちらをご覧ください(参考:治療と薬「消炎鎮痛薬の種類」 )。

精神神経薬

うつ症状、痙攣などの精神神経症状の緩和する薬剤ですが、なかには慢性の疼痛にも使用されるものもあります。

ノイロトロピン

血流を促進させ、血流循環を良くすることにより炎症を鎮めます。

物理的治療法

理学療法の一種であり、物理的作用を用いて行われる治療です。

イオントフォレーシス

微弱の電流を体に流して、局所麻酔薬やステロイド剤を浸み込ませ、疼痛を緩和させます。

神経ブロック

痛みの信号を発している部分や患部周辺に局所麻酔薬を投与して、炎症の抑止、血行促進、疼痛緩和を図る注射を用いた治療法です。どのブロックにおいても知覚神経と運動神経、交感神経に用いて、血行促進、疼痛の緩和を目的に行われています。

硬膜外ブロック

脊髄を覆っている膜を内から順に軟膜、クモ膜、硬膜といって硬い膜に覆われています。硬膜外ブロックは、脊柱官という脊髄が通っている筒と硬膜の間に麻酔薬を注入します。

神経根ブロック

神経ブロックはレントゲンを用いて行われる治療法で、痛みが発せられている患部に直接薬剤を注入します。

星状神経節ブロック

星状神経とは、交感神経(自律神経)が絡み合った塊であり、その塊が星状に見えることからそう呼ばれています。この星状神経の塊がくっつきあっている所を神経節と呼び、そこに疼痛を緩和させる抗炎症剤や局所麻酔薬を注入させる方法です。

胸部・腰部交感神経ブロック

手足に伸びている交感神経を遮断させ、疼痛を緩和させる方法です。血行促進にも効果があります。

高周波電気凝固法

この治療法は特殊な医療機器を用いて行います。高周波発生装置から針先に電熱を発生させ、患部である神経に直接当てて治療します。高周波電気凝固法には二通りのブロック法があります。

まず一つ目として、装置より指針に70〜90℃の熱を生じさせ、神経を直接焼いて痛みを遮断させる方法。

二つ目は指針を42℃に設定し、神経を焼くのではなく、熱で温め、血行を良くし、疼痛の緩和を図る目的です。神経を温め、血流改善を図るほうですと神経を遮断したわけではないので、知覚や体の機能への影響も少ないです。

治療費っていくらくらいかかるの?

診察に行くのは良いけど、治療費が高いとこれからの通院生活が不安。けれど行かないと痛みを治すこともできない。一回の治療費が分かればとても助かるという方に、帯状疱疹後神経痛の治療費を参考までにご紹介します(各病院によって治療費は変わりますが、大体の料金をご紹介します)。

治療費

治療箇所数により異なりますが、一度に2.000〜5.000円。最大でも6.000円となります。 保険は一部適用の病院もあります。

帯状疱疹後神経痛との付き合い方

帯状疱疹を治療したあと、神経痛が治まらずに発症された帯状疱疹後神経痛。けれど痛いだけで、どう過ごしていけば良いのか分からない。少しでも日常を過ごす中での痛みを自分で何とかできないかと思ったときに、この疾患との付き合い方をご紹介させていただきます。

ストレス解消

疼痛のことを気にしてばかりいると余計に憂鬱な気分になったり、塞ぎ込みがちになってしまいます。そのためにストレスが溜まり始め、疼痛の悪化を招くことにもなりかねません。血流改善の対策のためにも外出や趣味を持ち、疼痛ばかりを気にかけないような日常を送れるよう心がけましょう。

安静と入浴

帯状疱疹後神経痛に大事なのは体力の回復です。十分な睡眠と栄養の摂れた食生活を心がけ、毎日の規則正しい生活が基盤となっていきます。

また患部は冷感により痛みを増します。そのため入浴は疼痛の緩和を促進し、血行を促進してくれるので医師に相談し、制限などがない場合は入浴で温めたりしましょう。

  • <症状と治療>帯状疱疹の原因・感染など
  • <予防と対策>帯状疱疹の食べもの・ワクチン接種と予防など
  • <帯状疱疹の関連疾患>ヘルペスや水疱瘡・膠原病など
  • <帯状疱疹と間違えやすい病気>皮膚炎や蕁麻疹・風疹など
  • <帯状疱疹Q&A>質問と回答について