
ペインクリニック
ペインクリニックとは疼痛の診断・治療を専門に設立された、麻酔科治療の一種です。
痛み専門のお医者さんってテレビや雑誌で目にすることはあるけど、はっきり言ってどういう人がどんな治療をしているのか分からない。知らないからこそ、いざ行こうとなったとき凄く不安。そんなペインクリニックのお医者さんの構成や治療をご紹介します。
どんな人たちが行うの?
専門の医師である麻酔科医をはじめ、精神科医、脳外科医、整形外科医など多くの科の専門医たちが治療に携わってくれています。
その他にも看護師や作業療法士、理学療法士、薬剤師などサポートについてくれます。
どんな病気を治療するのか
一括りに痛みの治療を行うといわれても、どのような病気の方がペインクリニックを利用するのか分からないと思います。
ペインクリニックで治療を行われている病気をご紹介します。
難治性疼痛
神経の一部を傷つけたことによる神経損傷や、がん治療をしている方などが味わっている痛みや、病気に伴った痛みを難治性疼痛といいます。麻酔薬が効果を示さず、医師も治療に悩んでいるものです。それでは難治性疼痛を伴う病気を一部ご紹介します。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹発症から関連ページにて紹介させていただいたとおり、帯状疱疹の治癒後も神経痛が取れず、痛み自体が新たな病気となったものです。
カウザルギー
正中神経、脛骨神経、尺骨神経、坐骨神経、腕神経叢などの太く大きな神経の枝分かれしたいずれかの部分に損傷が起きることです。そして上・下肢が熱く感じる灼熱感を感じます。
バージャー病
四肢の血管がなんらかの原因で塞がり、虚血状態に陥り、細胞が壊シする病気です。虚血状態には疼痛はもちろん、潰瘍やチアノーゼがあらわれます。
頚椎脊柱管狭窄症
脊柱管は神経が通っているトンネル状の筒で、頚椎脊柱管狭窄症は首の部分が狭くなったり、変形したために神経が加圧され、手足の痺れや腰痛などの神経障害を起こす頚椎症のことです。
三叉神経痛
三叉神経の何処か(眼神経、上顎神経、下顎神経)に異常が発生し、顔面に激しい痛みが生じること(顔面神経痛)です。
メニエール病
内耳に水腫(水が溜まる)ことによって、激しい眩暈と耳鳴り、難聴の3セットが同時に引き起こされる病気です。
ここにご紹介したのはほんの一部ですが、他にも腰部脊椎管狭窄症や変形症腰椎生などの腰痛症、外傷性頸部症候群(むちうち)など多くあります。
どんな治療法があるのか
ご紹介させていただいたとおり、帯状疱疹以外にも多くの病気を受け入れているペインクリニック。治療法も多く用いられています。ペインクリニックで行われている治療法をご説明します。
ブロック注射
帯状疱疹後神経痛の関連ページでもご紹介させていただいたとおり、神経痛の発症部位により適切な箇所に痛みを和らげる麻酔注射を行うことです。帯状疱疹後神経痛での治療法も含まれておりますが、ペインクリニックでも行われています。
星状神経節ブロック
交感神経が絡み合った塊に抗炎症財を注射することで局所麻酔薬により疼痛を緩和させます。
硬膜外ブロック
脊髄を覆っている硬膜外腔に局所麻酔を行い、血流改善、疼痛緩和を目的とした注射です。
三叉神経ブロック
三叉神経が走っている場所に局所麻酔薬を注入し、効果が顕著にあらわれたら、そこが痛みを感じさせている部位なので、同じ箇所に純アルコールを再度注入し、神経節を遮断します。そうすることによって痛みを感じさせなくします。
肋間神経ブロック
胸髄神経より派生された肋間神経は、胸腹部の運動・知覚神経を支配しています。肋間神経ブロックはわき腹の痛みなどを抑止するために肋間と肋間の間に注射針を挿入し、局所麻酔薬を注入して、炎症の抑制、疼痛の緩和を行います。
トリガーポイント注射
トリガーポイントとは圧痛点ともいい、圧迫した際に強い痛みを感じる箇所のことを呼びます。圧痛点は、神経を取り巻いている筋肉が筋緊張や炎症を起こしている部位であり、ツボなのです。この圧痛点が原因の場合に効果的な治療法となっています。
関節内注射
骨と骨を繋いでいるのは滑膜と軟骨、それと関節の袋です。それら全てを関節包と呼び、関節内注射はその関節包の内部に麻酔薬を注入します。炎症や変形などの関節包内に患部がある場合に有効です。
薬物療法薬
ペインクリニックで疼痛の治療薬として使用している内服薬をご紹介します。
アミトリプチリン
抗うつ剤の一つで、うつ症状時の治療に用いますが、長期に渡る痛みとの闘いの中で気持ちが滅入ってしまう可能性があるため、この薬は良い意味で作用しくれます。しかしペインクリニックでは抗精神薬として処方するわけではなく、副作用の眠気を利用して、睡眠など休養時に体を休めさせるためにと処方されます。
NSAIDS(非ステロイド性抗炎症薬)
炎症の鎮静、鎮痛、解熱などの作用を持ち、抗炎症薬の中でもステロイドを含まないものをいいます。作用は様々で、効果に伴い副作用が強くなるものや弱くなるもの、即効性や持続性などです。ただ長期に渡る治療に使用されるため、免疫力の低下している高齢者の方は胃腸障害を併発させる可能性もあるので十分注意してください。
カルバマゼピン
抗てんかん薬として多く用いられていますが、三叉神経痛などの疼痛治療薬としても使われています。
Naチャネルブロッカー
不整脈に用いられる薬剤で、表面的なびりびりと刺すような痛みに作用します。