帯状疱疹で悩んだら【ゾスターナビ】
ヘルペス,口唇ヘルペス

ヘルペスについて

多く耳にするヘルペスですが、同じ呼称でもウイルスのタイプが違っています。帯状疱疹もヘルペスウイルスであり、口唇ヘルペスもヘルペスウイルス、それでは何が違っているのか?ウイルスの違いや疾患、治療薬も一緒にご説明します。

ウイルスのタイプや違いは何か

ヘルペスウイルスには単純疱疹(単純ヘルペス)と帯状疱疹(水痘・帯状疱疹ヘルペス)に分かれます。

ヘルペスウイルスによって発症するもので、症状も水疱を伴うので似ていますが、全く別の疾患です。

単純疱疹(単純ヘルペスウイルス)

皮膚に水疱を伴って発症する単純ヘルペスウイルスの感染症であり、免疫力の低下やストレスによって引き起こされます。さらにヘルペスは繰り返されることが多く、20歳以上の7割近くの人がウイルスの感染、発症を繰り返しています。

単純疱疹の中でも、主に知られているのが口唇ヘルペスであり、性行為によって感染する性器ヘルペスや陰部にできる陰部ヘルペスがあります。

また、家族と同じタオルなどを使いまわしていると、そこが感染源となり、家族にも発症することになるので、ヘルペスに感染中は洗濯なども別々にしましょう。

単純ヘルペスウイルス1型

顔面や口の周りを中心とした感染症です。

口唇ヘルペス、カポジ水痘様発疹症、ヘルペス性歯肉口内炎、ヘルペス性脳炎、ヘルペス性角膜炎、GH(性器ヘルペス)などです。

単純ヘルペスウイルス2型

陰部や性器を中心とした感染症です。

ヘルペス性髄膜炎、GH(性器ヘルペス)、でん部ヘルペスなどです。

症状

口や顔、陰部の周りが腫れ出し、水疱や発赤が出るとともに、ヒリヒリ・ピリピリとした掻痒感、または痛みや灼熱感を感じ、潰瘍を形成することもあります。口などの周りにできた水疱はやがて大きな塊となります。風邪の症状のように体のダルさや、頭痛、発熱なども現れますが、ヘルペス自体は2〜4週間程度で治癒します。

治療

単純疱疹も帯状疱疹と同じく対症療法での治療で、放置したままでも自然治癒します。症状が重い場合は水疱や症状は抗ウイルス剤の内服、軽い症状になると外用薬だけで済みます。

単純疱疹の疾患

上記に記載した1型と2型の疾患の一部を症状と治療、薬剤を含め、ご紹介します。

口唇ヘルペス

皆さんの中には罹ったことのある人が多くいると思います。そう、10人に1人の割合で発症しているのです。口唇ヘルペスは疲労やストレス、過労などで免疫力が低下した場合にみられます。感染した際には近くのリンパ節が腫脹し、5mm大の水疱ができます。

症状

水疱が現れるときには、ピリピリ・ビリビリ・ムズムズなどの違和感がり、傷みと灼熱感、掻痒感と一緒に現れます。初めの違和感からはっきりとしたものに変わり、自覚しだした頃(目安は半日以内です)、腫脹してきます。

腫れ出した頃が一番ウイルスが活発に働いているので、早めの初期治療が大切になってきます。赤く腫脹した唇の上に水痘ができ、初期感染の水痘は大きく、感染を繰り返し、再発するごとに水痘は小さくなっていきます。

この水痘の中にはウイルスがいるので潰さず、潰瘍になり、乾燥し、痂皮化するのを待ちましょう。途中、痒みがありますが、それは回復の兆しであり、細胞が組織を修復している証拠なので掻かないでください。この一連の流れが終わると口唇ヘルペスは治癒します。

治療

ヘルペスウイルスは水痘・帯状疱疹ウイルスと同じく、体の中から追い出すことは出来ません。そこで行われるのが対症療法になります。抗ウイルス剤を使い、ウイルスを抑制させるとともに、ヘルペスに対抗するための細胞をつくります。

治療薬はバラシクロビル、アシクロビルとなります。この薬は関連ページでもご紹介しておりますので、そちらをご覧ください(参考:治療と薬「ウイルスの増殖を抑える薬剤」)。

ヘルペス性角膜炎

単純ヘルペスが目の周りに感染することによりヘルペス性眼瞼炎などを併発させます。

症状

ヘルペスが出来る箇所により実質型と上皮型にわかれます。実質型は角膜内に侵入したヘルペスウイルスに眼球内のリンパ球が対抗することによって炎症が起こり、黒目の部分に円形の濁りができます。さらに奥深くまでウイルスが侵入すると眼球の炎症が広まり、視力の低下がみられます。上皮型は眼球内に異物感を感じたり、痛みを催します。

治療

代表的なものとして実質型には抗炎症薬にステロイド、とウイルスを抑制させるために抗ウイルス剤を使用しています。ステロイドは医師の指示をよく聞いて、正しく使用してください。また視力の低下が激しい場合はすぐ医師に相談し、ときに角膜移植が必要になる可能性もあります。上皮型は抗ウイルス剤のアシクロビルの眼軟膏や抗菌薬の点眼も用いられます。

帯状疱疹(水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルス)

関連ページでも説明させていただいたとおり、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こる感染症であり、体を縦半分に分けた片側に帯のように水痘が現れます。やがて水泡は潰瘍となり、乾燥して治癒します。抗ウイルス剤や外用薬の塗布、そして水疱が治る工程を繰り返して、やがて帯状疱疹は治ります(放置していても治ります)が、帯状疱疹後神経痛という後遺症を残していくかもしれません。詳しくは関連ページをご覧ください(参考:帯状疱疹の症状)。

  • <症状と治療>帯状疱疹の原因・感染など
  • <予防と対策>帯状疱疹の食べもの・ワクチン接種と予防など
  • <帯状疱疹の関連疾患>ヘルペスや水疱瘡・膠原病など
  • <帯状疱疹と間違えやすい病気>皮膚炎や蕁麻疹・風疹など
  • <帯状疱疹Q&A>質問と回答について