帯状疱疹で悩んだら【ゾスターナビ】
水疱瘡,水ぼうそう

水疱瘡

関連ページでは帯状疱疹についてご紹介してきましたが、ここで似た症状を呈す水疱瘡(水痘:すいとう)をご紹介したいと思います。帯状疱疹と似た症状である水疱瘡は水痘・帯状疱疹ウイルスからの感染であり、ほとんどの人が1歳以上から小学校在学中に発症しています。

帯状疱疹との関係性は

水疱瘡と帯状疱疹は同じウイルスから発症することをご紹介してきましたが、もう一度ご説明させていただきます。水疱瘡は子供の病気で、帯状疱疹は大人の病気です。なので、ウイルスは同じでも別の病気として捉えて良いでしょう。

幼児期に水疱瘡に罹患すると体の中に抗体ができ、完全にやっつけることはできませんが、水痘・帯状疱疹ウイルスを体の神経節のなかに静まらせておくことができます。ですが、せっかくできた抗体も成人を過ぎると減少しはじめ、過労・疲労・ストレスなどから免疫機能の低下を招き、眠っていたウイルスが再度活性化し、帯状疱疹として水疱などがあらわれます。

ウイルスが活性化するメカニズムは解明されておらず、不明です。また、水疱瘡をやっていない子供が帯状疱疹中の大人と接触した場合、帯状疱疹に感染するのではなく、水疱瘡として併発されるので、子供が帯状疱疹を感染することはないでしょう。

水疱瘡の症状

まだ水痘・帯状疱疹ウイルスに感染したことのない人が感染者と接触してから、非感染者への潜伏期間は2〜3週間程とされています。ウイルスは飛沫感染、空気感染、接触感染で、同じ空間にいるだけでも感染する可能性がありますし、接触感染だと直接触れているので感染のリスクが高まります。

その後、症状として発熱、発赤、発疹、そして水疱が現れます。それは3〜5日の間中、体の至る所に数を増して広がります。やがて2〜3日後に水疱は乾燥し始め、痂皮化します。またかさぶたは2週間前後には剥がれて、瘢痕(はんこん:あと)を残しますが、半年後には見られなくなります。

衣類で隠れている場所や暑さなどが痒みを助長させます。また、水疱瘡によって命の危険性はないですが、髄膜炎や脳炎など重症化することが稀にあります。

治療

放置していても自然治癒する水疱瘡ですが、乳幼児にとって強い痒みは耐えられるものではありません。そこで抗ウイルス剤や抗ヒスタミン剤などの痒みを抑えて、ウイルスに対抗するための細胞をつくります。

水疱を潰すとそこから新たな菌が侵入し、細菌感染を起こすことがあるので、水疱は潰さずに、痒みには外用薬などの塗り薬で抑えましょう。引っ掻かないように爪を短く切り、またどうしても掻いてしまうときにはミトンなどで対処しましょう。

予防

免疫力や抵抗力のない乳幼児が感染者に接触した場合、感染を防ぐことは難しいでしょう。ですが接触後72時間以内にワクチンを接種すれば予防することができる、または症状を軽減させることが出来るといわれています。

しかし予防法として一番効果があるのは予防接種を受けておくことでしょう。予防接種は12ヶ月以上から受けることができますが、任意となるので接種は自由、保険は適応されないため自己負担となります。

妊娠中の水疱瘡

妊娠中の水疱瘡は赤ちゃんへの感染が怪しまれ、何らかの障害を与えることがあります。「先天性水痘症」といい、四肢、脳、皮膚のいずれかに障害が出るリスクが高まります。妊娠12週目までに水疱瘡に感染・発症したのならば赤ちゃんへの感染は3〜4%、20週目までに感染したのならば大体2%の感染率があります。先天性水痘症には脳皮萎縮、小頭、四肢低形成、低出生体重児、白内障、脈絡網膜炎などがあります。

また周産期水痘といって、水痘感染は赤ちゃんが時期を待たず、早くに生まれてくる早産の可能性も秘めています。周産期水痘は赤ちゃんの出産前後に罹患した場合の病気であり、その潜伏期間は10日前後です。そして24〜51%の赤ちゃんに水疱瘡が感染、発症します。

水疱瘡を発症してから6日以降に出産した場合、生後4日以内に水疱瘡を発症させますが、母体からウイルスへの抗体をもらっているため重症化はしません。出産5日前から出産後2日に発症した場合、赤ちゃんは生後5〜10日に水疱瘡を発症しますが、母体にはまだ抗体ができていない為、抗体をもらわず生まれてくる為に重症化します。

その中で生まれてきた赤ちゃんの30%がなくなっています。出産後3日以内に発症した場合、出産時の母体の血中ウイルス量が少ない為、赤ちゃんは水疱瘡を発症しませんが、母体から抗体をもらわないため、水平感染を起こす可能性があります。

  • <症状と治療>帯状疱疹の原因・感染など
  • <予防と対策>帯状疱疹の食べもの・ワクチン接種と予防など
  • <帯状疱疹の関連疾患>ヘルペスや水疱瘡・膠原病など
  • <帯状疱疹と間違えやすい病気>皮膚炎や蕁麻疹・風疹など
  • <帯状疱疹Q&A>質問と回答について