帯状疱疹で悩んだら【ゾスターナビ】
ラムゼイハント症候群,ハント症候群

ラムゼイハント症候群

このラムゼイハント症候群は水痘・帯状疱疹ウイルスによって感染する病気で、帯状疱疹の合併症としても知られています。幼い頃にできた抗体や抵抗力の落ちてきた20代や免疫力の低下が著しく表れる50代頃にウイルスが活性化し、帯状疱疹が発症します。水痘や発疹があらわれた箇所が顔面や耳の周囲であった場合、合併症であるラムゼイハント症候群が併発するとされています。

ラムゼイハント症候群はどんな症状で始まるか

上記に記載しましたとおり、ラムゼイハント症候群は帯状疱疹の合併症です。

水痘・帯状疱疹ウイルスが蝸牛神経、前庭神経、顔面神経に感染し、炎症を起こすことにより発症します。

耳の痛みとモヤモヤとした鈍痛を伴った頭痛、耳の周囲や入り口に掻痒感を感じる赤みのある水疱があらわれます。また感染したことにより顔面神経が炎症しているため、瞼(まぶた)を閉じることが出来なくなったり、口の開閉が困難になったりする末梢性顔面神経麻痺が発症します。

そして聴神経・平衡神経を司る前庭神経と聴覚を司っている蝸牛神経が感染・炎症することにより耳鳴り・難聴・眩暈などの症状を呈します。さらに近くの神経に感染が及ぶと激しい頭痛、顔面痛などを起こします。

ラムゼイハント症候群は顔面麻痺や難聴、耳鳴りの回復が困難で後遺症として残る場合があります。眩暈は早期に治まります。ですが、末梢性顔面神経が疑われる程の症状になる前に早めの医師への相談、早期治療が大切になります。

診断された場合の治療は?

顔面神経麻痺にはこれだ! という治療法や特効薬が見つかっておらず、手術療法の顔面神経減荷術も後遺症を併発させるなどのリスクが高いようです。

顔面神経麻痺が発症した場合において、皮膚科だけでなく、脳神経内科や耳鼻科などの他科を受診し、診察・検査を行います。内服薬として医師が用いているのは抗ウイルス剤や副腎皮質ステロイドの点滴、頭部、腕、肩の血流をコントロールしている星状神経へのブロック注射、それで効果を示さなければビタミン剤や血流改善剤、神経賦活剤などを内服薬として処方します。

できるなら麻痺が起こった直後や早期治療が大事になり、発症後の10ヶ月前後が麻痺回復の境界線とされています。ラムゼイハントの後遺症として顔面の痙攣や顔面筋の拘縮、瞼と口が同時に動くような病的共同運動があり、これらの症状を悪化させずに留めておくには、顔面のマッサージなどのリハビリを行います。

マッサージは麻痺した顔面の筋肉に沿って、自分の気持ちの良いと思う適度な強さで行ってください。さらに蒸しタオルを使用すると筋肉のこわばりや緊張が解れるので効果的です。麻痺を起こした側の筋力が低下しても、強く粗暴にマッサージや筋力訓練を行うと病的共同訓練を起こしやすくなります。時間とともに筋力の低下が見られ、筋肉の拘縮や緊張が進行するので、少しでも抑えるためには丁寧なマッサージを施しましょう。

長時間クーラーを浴びる、または冷たい風に晒されていたり、アイスを食すなど、それは顔面神経麻痺を助長する結果になるので、回復期には注意してください。

顔面神経麻痺はまだ解明されていないことが多く、治療法もしっかりと定まっていません。帯状疱疹からの合併症が多いラムゼイハント症候群ですが、顔面神経麻痺だけで言えば冷たい風に片側の頬だけを長時間浴びていたりして起こることもあります。帯状疱疹にしても元を辿ると免疫力や抵抗力の低下が招くので、免疫力を高める方法などを普段の生活の中に取り入れていかれてはいかがでしょうか?

免疫力を高める方法は関連ページでもご紹介しましたので、そちらをご覧ください(参考:帯状疱疹の予防)。

  • <症状と治療>帯状疱疹の原因・感染など
  • <予防と対策>帯状疱疹の食べもの・ワクチン接種と予防など
  • <帯状疱疹の関連疾患>ヘルペスや水疱瘡・膠原病など
  • <帯状疱疹と間違えやすい病気>皮膚炎や蕁麻疹・風疹など
  • <帯状疱疹Q&A>質問と回答について

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