帯状疱疹で悩んだら【ゾスターナビ】
尋常性乾癬,乾癬

尋常性乾癬

皮膚が赤みを帯びて膨隆し、その皮膚症状が現れた白い皮の一部が雲母(うんも:鉱物の一種で表面が薄く剥がれる)のように角質細胞が剥がれ落ちる鱗屑(りんせつ)となります。またこの赤く膨隆した部位をハム様皮疹と言われることがあります。外部刺激を強く受けやすい部位にできる傾向がありますが、口唇と眼球以外であれば場所を選ばず発症しますが感染するような病気ではないのでご安心ください。
原因は不明ですが、家族内に乾癬を発症させている人がいれば、5%と多くはありませんが遺伝的要因が考えられています。乾癬を起こしやすい人は体質に加え、外傷などの外的因子、扁桃腺炎などの感染症、糖尿病、肝臓病、薬物、気候の変化、ストレスなどの生活環境が症状の発症・悪化の一因とも考えられています。もとは欧米人に多い病気であることと、戦後に多く報告されていることから食事の西洋化などとの関連性を示唆しています。

尋常性乾癬の症状とその治療法

それは小さな赤い発疹から始まります。発疹が全身に広がっていくとともに雲母のように厚くなっていき鱗屑します。その発疹もどういうサイクルかは解明されていませんが、皮膚症状が回復し、また発疹が現れるということが繰り返されます。

乾癬を擦ったり傷つけたりしたところに日を置いて新たな発疹が出現することがあります。それをケブネル現象といい、頭や肘、膝とおしりは衣類や物などでも良く擦れやすい箇所なので発疹の出現や症状が悪化する傾向があります。この回復期と憎悪期を繰り返す、慢性の皮膚疾患です。

治療法は内服療法、外用薬、光線療法等があります。軽度の症状にはステロイド剤の外用薬とビタミンD3誘導対外用剤を用い、症状が重度になっていくと内服薬や光線療法といった治療が行われます。ビタミンA誘導体であるエトレチナート免疫抑制剤などの内服薬は保険が適用されたこと(尋常性乾癬に有効視されているのはシクロスポリンとメトトレキサートですが、メトトレキサートは保険適用外)により、治療の選択肢の幅が広がり、患者の自宅での生活治療も向上しています。

ただし、ステロイド剤の長期使用は膿庖性乾癬を引き起こす可能性があります。光線療法とは紫外線を直接患部に当てる治療法でPUVA療法と言います。紫外線を増感させる薬剤であるメトサキレンを患部に塗布し、紫外線の波長を利用して行われます。しかし、接触性皮膚炎や発癌の危険性が指摘されたため、現在は行われていいません。

乾癬にはどのくらいの種類があるのか?

一般的な乾癬は尋常性乾癬であり、乾癬を発病した人の90%は尋常性乾癬です。

ですが、乾癬は尋常性(尋常:あたりまえ、普通、特別でない)だけではなく、関節の変形や膿庖などを伴った発症があります。

乾癬性紅皮症

皮膚全体に炎症が起こり、それが健康な皮膚まで見えなくなるほどに紅斑が全身に広がります。全身の90%以上の皮膚に炎症と鱗屑がみられ、そのことにより正常な皮膚代謝が行えなくなります。

ですが一部に尋常性乾癬の皮疹がみられ、健康な皮膚も残っているため比較的改善しやすいです。乾癬症状にステロイド剤を全身に投与することによってできた乾癬性紅皮症は慢性皮膚病なので治ることが難しく、生涯付き合っていかなければならないかもしれません。

症状

初期症状にいきなり紅斑が現れます。12時間〜48時間までに紅斑が全身の90%以上に広がり、熱感を伴います。体のしわ(腹部など)ができる場所には発赤ができず、正常な皮膚を保っています。数日後には鱗屑となり剥がれ始めます。

全身症状には全身倦怠感や発熱、悪寒があり、これらの症状が長期化すると脱毛や爪の変形がみられる爪乾癬が併発されます。鼠径部のリンパ節が主に腫脹したり、体調障害や全身衰弱、感染症や脱水を引き起こし、最悪は命を落とすケースもあります。

好発部位は膝、肘、おしり、頭皮などがあります。また紅皮症には原発性と続発性があり、原発性には急性原発性紅皮症、ウィルソン・ブロック紅皮症、へブラ紅色粃糠疹などがあります。

続発性には乾癬性紅皮症、湿疹続発性紅皮症、薬剤誘発性紅皮症、感染症続発性紅皮症、先天性魚鱗様紅皮症、腫瘍随伴性紅皮症などがあります。また尋常性乾癬が進行したことで関節性乾癬や膿庖性乾癬などを併発するのではなく、突発的にそれらの症状が現れるケースがあります。

治療

全身を覆いつくすほどの皮膚病であり、予後が不良なために入院治療を原則とし、全身の管理を病院で行うことになります。外用薬のステロイド剤の使用と抗アレルギー剤・抗ヒスタミン剤を一緒に内服します。脱水症状の予防には点滴による輸液が行われます。

湿疹続発性紅皮症は二次感染のリスクもあるので重症ではないのならば内服は行いません。薬剤誘発性紅皮症ではステロイド剤の内服を、先天性魚鱗性紅皮症ではレチノイド、乾癬性紅皮症ではシクロスポリンを投与します。

関節症性乾癬

乾癬と関節痛などの関節症を同時に引き起こしている状態のことです。

症状

関節の変形、炎症、こわばりに加え、尋常性乾癬の症状がプラスされます。関節に起こる症状は関節リウマチと非常に似ており、進行とともに激しく痛みます。関節異常がみられる部位は指関節、手首、膝関節、足首や鎖骨と肋骨の間の関節、肋骨と胸骨の間の関節、肩関節に炎症が起こります。

治療

尋常性乾癬と同じ治療薬を使用しますが、尋常性乾癬で用いられている内服薬は関節の炎症を抑える効果もあります。関節症には鎮痛消炎剤を少量から始め、効果のあらわれる量まで徐々に増やしていきます。薬剤性の潰瘍が消化器疾患としてできる可能性がるので胃腸薬用いることがあります。

滴状性乾癬

症状として尋常性乾癬に似た皮疹を呈しますが、そちらと比べると小さいです。前駆症状として扁桃腺炎がみられ、この扁桃腺炎が治まると乾癬が消失することがあります。

しかし扁桃腺炎をまた発症させたときに再び滴状性乾癬を誘発させることや尋常性乾癬に移行することも考えられます。

尋常性疥癬が30〜40代に多いのに比べ、滴状性乾癬は若年層の発症頻度が高いとの報告があります。尋常性乾癬の治療と一緒に抗生剤の内服治療が行われることがあります。

膿庖性乾癬

症尋常性乾癬を誤って診断した場合の長期ステロイド使用により、皮膚内に無菌性の膿庖があらわれます。治療は全身症状を強く呈するために入院治療を余儀なくされます。免疫抑制剤のシクロスポリンやビタミンA誘導体の内服を行います。尋常性乾癬と一緒に併発した場合は尋常性乾癬の皮疹が発症している部位以外には無菌性の膿庖が出現しますが。

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