帯状疱疹で悩んだら【ゾスターナビ】
膠原病,全身性エリテマトーデス,帯状疱疹

膠原病と帯状疱疹

帯状疱疹は一生に一度と言われていましたが、今では再発する人も増えてきています。帯状疱疹後に膠原病を罹患し、免疫力が極端に低下した体の中に眠っていた水痘・帯状疱疹ウイルスが再度活性化、そして帯状疱疹の再発につながるのかも知れません。ですから膠原病を患っている方も、帯状疱疹には十分気をつけてください。
膠原病とは、全身の血管や筋肉、関節、皮膚などに炎症が起こる病気のことで、自己免疫疾患とも呼びます。発熱・関節痛・湿疹などの痛みが症状として挙がりますが、原因は不明です。成人以上の女性に多く、発熱が初期症状として現れるが原因が分からず、そして膠原病と診断されます。

自己免疫疾患にはどんな病気が?

自己免疫疾患には体全身に影響がでる全身性自己免疫疾患と、ある臓器だけに影響が出る臓器特異的疾患の2つに分けられます。

全身性自己免疫疾患

関節リウマチ、多発性筋炎皮膚筋炎、シューグレン症候群、抗リン脂質抗体症候群、全身性皮膚硬化症、血管炎ウェゲナー肉芽腫症、全身性エリテマトーデス、結節性多発動脈炎顕微鏡的多発動脈炎アレルギー性肉芽腫性、混合性結合組織病などです。

臓器特異性自己免疫疾患

ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、巨赤芽球性貧血、バセドウ病、橋本病、特発性アジソン病、原発性甲状腺機能低下症、妊娠性疱疹、後天性表皮水疱症、円形脱毛症、自己免疫性視神経症、特発性無精子症などです。

関節リウマチ

免疫異常であることは多くの人に知られていますが、原因となるメカニズムは不明です。関節リウマチは手、足、膝、肘などの関節痛が数週間から数ヶ月にかけて始まります。初めは一箇所から始まり、そして対になる箇所とともに痛みが起こります。関節が腫脹するのは関節液が溜まる、炎症が起こり、髄膜が増えるためとも考えられています。

痛みの症状は寒さに弱く、冷房の風でさえ痛みが増強します。暖かく天気の良い日は比較的痛みも少なく、天候に左右されやすい病気です。また全身症状として脱力感、食欲低下、体重減少などがあります。

治療

原因不明の病気であるため、根治させることは今のところ出来ません。抗リウマチ薬などを使い、症状の緩和、身体機能の保持、関節の破棄や変形を予防します。

内容として薬物療法、手術療法、リハビリテーションがあります。薬物療法は消炎鎮痛薬やステロイド剤、免疫抑制剤、生物学的製剤などを使用します。手術療法は関節固定術や関節形成術、人工関節置換術、滑膜切除術を行います。リハビリは関節の可動域の拡大と維持、筋力の増強、筋力機能の維持や関節の修復などの目的があります。

全身性エリテマトーデス

体の関節、皮膚、消化器、循環器、泌尿器など多くの臓器に炎症が起こり、蝶形紅斑(ちょうけいこうはん)が体にあらわれます。指先が白くなったり、紫色を呈したりするレイノー現象や関節痛、発熱、浮腫、日光を浴びるたびに日焼けするような日光過敏症などが症状として現れます。

全身性エリテマトーデスの発症は遺伝子的なものがあるのではと考えられていますが、原因は不明です。女性の発症率は男性の10倍である。慢性疾患であり、治りにくく、ずっと付き合っていくことになります。

治療

炎症を抑制する作用のあるステロイド剤を中心に使用しますが、長期間の服用は副作用が多く、顔がまん丸になるムーンフェイス、白内障、糖尿病、高脂血症、胃腸障害、骨粗鬆症、感染症、脱毛などがあります。他にもアスピリンや非ステロイド性抗炎症薬などを用いて関節痛などを和らげます。

バセドウ病

顎の下辺り、首筋にある甲状腺が晴れて、ホルモンが分泌過剰になり起こる病気です。そのうち半分の人には眼球が飛び出る、眼球突出がみられます。バセドウ病の発症には遺伝的と環境的な要因が関係していて、女性は男性の5倍の頻度で発症しています。

バセドウ病の代表的な症状に頻脈、眼球突出、甲状腺腫脹があり、これをメルセブルグの三徴候と呼びます。多くの症状として振戦(しんせん:手や指の振るえ)、新陳代謝が活発化することから異常な発汗をしたり(冬でも暑く感じる)、ホルモンバランスが崩れることにより、情緒不安定になったり、集中力が保たなくなったり、イライラします。

甲状腺クリーゼといって甲状腺機能が活発になることによる合併症(頻脈、嘔吐、高熱、意識障害)を発症し、命に関わるまでになるので注意が必要となります。

治療

甲状腺ホルモンの分泌が過剰に生成されるために起こるため、そのホルモンの合成を抑える抗甲状腺薬を内服します。甲状腺から分泌される甲状腺刺激ホルモンの量を調節し、合成を抑えることで健常者と変わらない生活を過ごすことができますが、甲状腺刺激抗体を消滅させるには長期間の服用になるため、根治には時間を要します。

またアイソトープ治療(放射線ヨード治療)という、放射線治療を行うこともあります。放射線によりホルモンの分泌が抑制され、2〜6ヶ月で甲状腺ホルモンの量が減少します。こちらも長期間の時間を要しますが、手術よりは精神的にも肉体的にも負担は少なく、薬の内服よりも早期の回復が見込まれます。

ただし、放射性物質を使用しているので被爆の可能性がないとは言えません。妊婦などに授乳中である母親、子供を希望する女性には放射線治療は行いません。放射線が体に居残っているのは4ヶ月とされており、甲状腺機能の変動も視野に入れて、妊娠は1年を待つのがベストと思われます。

手術療法は甲状腺の一部機能を残して切除する方法であり、切除によりホルモン分泌を抑制・調整します。内服・アイソトープ治療よりも早期に完治できますが、入院や手術痕が残ります。首筋は露出されている部分なので、美容を気にする女性また男性方にはお勧めできない治療法かもしれません。

再発の可能性は少ないものの、合併症があるかもしれないので、心疾患を持っている人や高齢の方には行いません。再発した場合は再手術ではなく、アイソトープ治療を行います。術後は甲状腺機能低下症を併発させることが多く報告されていますが、そのときは甲状腺機能低下症の専門の治療を行いましょう。

  • <症状と治療>帯状疱疹の原因・感染など
  • <予防と対策>帯状疱疹の食べもの・ワクチン接種と予防など
  • <帯状疱疹の関連疾患>ヘルペスや水疱瘡・膠原病など
  • <帯状疱疹と間違えやすい病気>皮膚炎や蕁麻疹・風疹など
  • <帯状疱疹Q&A>質問と回答について

関連リンク